コンセンサス・ビルディング推進協議会

米国におけるコンセンサス・ビルディング

米国における普及

米国では1970年代以降、国家環境政策法(NEPA)の制定などが要因となり、公共事業計画、環境関連規制に関する訴訟が急増しました。その結果、計画や規制の執行の遅れ、訴訟コストの増大、訴訟に長けた利害集団の影響力肥大化、行政による政策イニシアチブの停滞、そして最終的には行政に対する信頼の低下を招きました。これらの問題を解消するため、各種計画、規制に関連する裁判外紛争処理(ADR)を導入し、また計画づくり、規制策定の段階で紛争を予防する措置を講じる社会的ニーズがうまれました。

コンセンサス・ビルディングは、交渉学の理論と、裁判外紛争処理技術の一つであるメディエーション(促進型調停)を応用し、主に公共性の高い計画づくり、規制策定への適用を目的に、ハーバード大学ロースクール交渉学プログラム、マサチューセッツ工科大学都市計画学科などを中心に検討、実践されてきた方法論です。

現在では、コンセンサス・ビルディングを提供するNPO、営利企業が米国内に多数存在し、年間数億円規模の産業にまで発展しています。

米国における導入事例

連邦環境庁の「交渉による規制設定」
環境規制の設定に先立ち、コンセンサス・ビルディングの流れにのっとり、利害関係者を集めた委員会を開催し、委員会の提言をそのまま規制素案としてパブリックコメントにかけ、通過した場合は規制として用いる。

連邦環境庁の「紛争予防・処理サービス契約」
環境庁に関係する案件について第三者が必要となった場合、本庁の紛争予防・処理センターが一括委託契約しているSRAインターナショナル社を通じて、全米各地の第三者を派遣してもらうことができる体制が準備されている。

連邦高速道路庁による「協働問題解決」
高速道路の計画づくり、環境アセスメント段階での合意形成を目的とした協働問題解決の取組みを推進中。第三者の専門家名簿、ガイドラインを作成し、職員研修ワークショップ等を開催。

連邦環境紛争処理研究所による「環境紛争処理専門家名簿」
独立した連邦機関として設置された環境紛争処理研究所は、第三者としてサービスを提供できる全米の環境紛争処理専門家の名簿を作成し、公表している。

各州政府の「紛争処理室」
全米28の州政府は独立機関として紛争処理室を設置し、その多くが州および州内市町村の政策に関連するコンセンサス・ビルディングを推進し、第三者として機能している。

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